“Concentration quenching mechanism of Ytterbium(III) coordination polymer”
〇大曲駿，中西貴之，北川裕一，伏見公志，長谷川靖哉
錯体化学会第67回討論会，北海道大学（北海道），2Fa-05

 この度、錯体化学会第67回討論会において学生講演賞を頂き、大変嬉しく思います。今回の受賞を励みとし、より一層研究活動に邁進していく所存です。今回の受賞にあたりまして、日々のご指導を賜りました長谷川教授、伏見准教授、中西助教、北川助教をはじめとする先端材料化学研究室の皆様に、この場をお借りして深くお礼申し上げます。
　希土類添加セラミックスでは希土類濃度が高い場合、希土類間エネルギー移動によって発光効率が低下する「濃度消光」を招くことが知られています。一方で、多核希土類錯体（配位高分子や希土類クラスター）ではこの影響は極めて小さいと言われています。その原因を探求することは濃度消光を抑えるための分子設計指針に繋がると考えられます。本研究では、イッテルビウム配位高分子について、実験・理論計算を通して濃度消光がPhonon-Assisted Energy Transfer Relaxationという、高純度希土類化合物でのみ観測される現象によって起こることが明らかとなりました。また、これを基に希土類配位高分子における濃度消光の抑制方法を提示しました。